日影図の見方について情報をお探しですね。

広告

日影図の見方を分かりやすく解説!建築・不動産で知っておきたい基礎知識

建物を建てるときに必ず必要になる「日影図」。聞いたことはあるけれど、実際に見方がよく分からないという方も多いのではないでしょうか。今回は、日影図がなぜ重要なのか、どうやって読めばいいのかを、分かりやすくご紹介します。

日影図って何?なぜ必要なの?

日影図とは、建物が周りにどんな影を作るかを描いた図のことです。特に冬至(12月22日頃)の朝8時から夕方4時までの影の動きを表しています。

なぜ冬至なのかというと、この日が一年で最も太陽が低く、影が一番長くなる日だからです。つまり、この日の影をチェックしておけば「最悪の場合」が分かるというわけですね。

高さ10メートル以上の建物を建てるときは、この日影図を作って「隣の家や土地に迷惑をかけすぎていないか」をチェックする必要があります。これを「日影規制」といいます。

例えば、あなたの家の隣に高いマンションが建つとしたら、一日中影になってしまうのは困りますよね。そんなトラブルを防ぐために、法律で「ここまでなら影を作ってもOK」という基準が決められているんです。

日影図の基本的な読み方

日影図を見ると、建物の周りにいろいろな線が描かれています。これらの線は時間ごとの影の形を表していて、「時刻日影線」と呼ばれます。

図には8時、9時、10時…といった具合に、1時間ごと(場合によっては30分ごと)の影の輪郭が描かれています。線が重なっている部分は、長い時間影になる場所ということです。

まず注目すべきは「測定線」です。これは建物の境界から5メートル、10メートルといった距離に引かれた線で、この線を基準に影の規制をチェックします。

図には色分けや線の種類で「3時間以上影になる範囲」「5時間以上影になる範囲」などが示されています。凡例をよく見て、どの線が何を表しているかを確認しましょう。

等時間日影図の見方

日影図の中でも特に重要なのが「等時間日影図」です。これは「同じ時間だけ影になる場所」を線でつないだ図で、実際の規制チェックではこちらを使います。

例えば、法律で「建物から5メートル以内は5時間まで、10メートル以内は3時間まで影を作ってもよい」と決められているとします。この場合、5時間の等時間線が5メートルの測定線より内側(建物側)に収まっていれば、規制をクリアしているということになります。

つまり、等時間線が測定線からはみ出していなければOK、はみ出していればNGということです。

ただし、建物の形が複雑な場合は計算が難しくなるため、より詳しい検証が必要になることもあります。

日影図を上手に活用するコツと注意点

日影図を見ることで、建物の設計を調整したり、周りの環境との バランスを考えたりすることができます。

もし影が隣の土地に長時間かかりすぎている場合は、建物の高さを低くしたり、配置を変えたりする必要があるかもしれません。逆に、しっかりと基準内に収まっていることを証明できれば、計画の正当性を示すこともできます。

ただし、気をつけたいポイントもあります。日影図は「いつ、どこに影ができるか」は分かりやすく示してくれますが、「一日の合計でどのくらい影になるか」は等時間日影図を見ないと正確には分からないということです。

また、現在の法律では「一日の総影時間」で判断するため、午前中は影でも午後は日が当たれば問題ないとされる場合もあります。

不動産を購入するときや建築計画を立てるときは、図面の作成者に詳しく説明してもらい、規制の基準値についてもしっかり確認することが大切です。

まとめ

日影図は、建物がどんな影響を周りに与えるかを「見える化」してくれる大切な資料です。最初は複雑に見えるかもしれませんが、基本的な見方を覚えてしまえば、より良い住環境づくりに役立てることができますよ。

広告