図面の書き方をお探しですね。

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図面の書き方をマスターしよう!ものづくりの基本スキル

ものづくりの現場では、図面を正しく書けることがとても大切です。なぜなら図面は、設計者が考えたアイデアを工場の人たちに正確に伝える「共通の言葉」だからです。でも「図面を書いて」と言われても、何から始めればいいのか、どんなことに気をつければいいのか、最初は分からないことだらけですよね。

この記事では、図面の基本から具体的な書き方、注意点まで、初心者の方でも分かりやすく説明します。正確な図面が書けるようになれば、トラブルが減って、作業時間も短縮でき、より良い製品が作れるようになりますよ。

図面って何?なぜ必要なの?

図面とは、設計者のアイデアを目に見える形にして、製造現場の人たちに正確に伝えるための「設計情報を表す言葉」です。図面には、一つの部品を詳しく描いた「部品図」と、全体の構成を示す「組立図」があります。

図面には、部品の形や大きさ、材料、作り方などの情報を、JISやISOという世界共通のルールに従った記号や表現方法で正確に書き込みます。これによって、設計者と製造現場の人たちが、口で説明しなくても同じものを作れるのが理想的です。

最近は3Dデータも普及していますが、まだ対応していない工場も多く、特別な指示を書き込む場合や製品検査では2D図面が欠かせません。

良い図面とは、「誰が見ても、同じ製品・部品を安定して作れる」ように、必要な情報がもれなく、分かりやすく書かれたものです。そのためには、あいまいな表現をせず、情報を抜かさず、見る人のことを考えて、共通のルールを守って書くことが重要です。

図面を書く手順とポイント

図面を作る流れは、「アイデアを考える→詳しく設計する→図面にする→完成・チェック」という順番です。まず製品や部品がどんな役割で、どのくらいの大きさなのかを手書きのスケッチでまとめてから、CADなどで正確な図面にしていきます。

1. 図面の準備

CADソフトを使う場合は、会社で決まった図面の枠を読み込んで、製品名や作成者名などの必要事項を入力します。

2. 形や図の配置

正面図、側面図、上面図(三面図と呼びます)など、製品の特徴に合わせて必要な方向から見た図を配置します。情報量や寸法の入れやすさを考えて、余白も考慮しながら配置しましょう。

3. 縮尺の決定と基準線の設定

実物と図面の比率(縮尺)を決めます。JIS規格に従って、1:1や1:2など分かりやすく表示します。基準線は、製品の中で最も重要な形や加工面、取付穴から引いて、寸法の起点となるよう分かりやすく指示します。

4. 寸法や記号の記入

各部分の寸法線、許容範囲、加工指示、表面処理、熱処理、溶接記号など、必要な指示を分かりやすく記載します。図面だけでは説明しきれない事項や注意点(例えば「バリ、カエリ禁止」など)は「注記」としてまとめ、問題が起きやすい部分はしっかり明示しましょう。

最後に表題欄の記入を済ませ、必ず他の人にチェックしてもらってから完成です。

図面を書くときの注意点

良い図面は見やすくて、情報が正確に伝わるものです。以下の点に注意しましょう。

1. 正確で見やすい配置

寸法の指示や線が重なりすぎていたり、隠れた線の上に寸法をたくさん書いたりすると、現場で間違って読み取られやすくなります。三面図のどの図面に主要な寸法を入れるかは、見やすさを優先して決め、複雑な部分は必要な情報を省かないよう配置を計画しましょう。

2. 適切な寸法の取り方

複数の部品を組み立てるときや、部品同士を合わせる位置は、お互いの基準(例えば取付穴の中心など)をしっかり合わせて寸法を取ることで、ずれを防げます。各寸法には許容範囲を意識して記載し、現場で実際に測定できるかも考慮することが大切です。

3. 規格に従った統一された表現

JISやISOなどの共通規格で決められた寸法線、破線、鎖線、記号を正しく使い分けましょう。例えばベアリングやシャフト、ねじなどの量産部品は標準記号や公差表記を使い、独自のルールを避けることで、誰が見ても間違いのない図面になります。

4. 必要な情報をもれなく記載

材料、表面処理、数量、特別な注意事項など、製造工程で必要となる他の部門への連絡事項も欠かさず盛り込みましょう。記入もれや見落としが起こらないよう、チェックリストを活用するのも効果的です。

より良い図面を書くためのコツ

図面を書くスキルを向上させるには、単に手順を覚えるだけでなく「図面を見る相手の立場で考える」視点を持つことが重要です。例えば、組立・加工現場や検査部門、外注先の技術者など、図面を見る相手がどこで迷いそうか、判断に困るポイントを想像しながら情報を整理しましょう。

自分の図面だけでなく、経験豊富な設計者の図面も積極的に観察・参考にすることで、だんだん品質の高い図面が描けるようになります。

また、最近では便利な設計支援ツールや図面自動生成サービスも充実しています。寸法を入力するだけで簡単な部品図を作成できるシステムや、規格票・記号ライブラリなども併用すれば、初めてでも効率よく正確な図面が仕上がります。

さらに、必ず他の人にチェックしてもらうプロセスを習慣化することで、ヒューマンエラーの防止にもつながります。

図面は、「設計者→現場→品質保証」という一連のものづくりの流れをつなぐ重要な役割を果たします。何度も練習しながら、見やすくて伝わりやすい図面作成にチャレンジしてみましょう。

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