地積測量図を作成する方法をお探しですね。
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地積測量図の作成方法について【初心者にもわかりやすく解説】
土地を売ったり買ったり、相続したり、家を建てたりするとき、必ずといっていいほど「地積測量図」という言葉が出てきます。これは、土地の正確な大きさや境界線を示した大切な公的書類で、後々のトラブルを防いだり、取引をスムーズに進めるために欠かせないものです。
でも、いざ作ろうと思っても「何を書けばいいの?」「どうやって作るの?」「専門家に頼んだ方がいいの?」など、わからないことがたくさんありますよね。この記事では、地積測量図の基本的なことから、実際の作り方、気をつけるポイント、プロに頼む場合のコツまで、わかりやすく説明していきます。
地積測量図って何?どんな役割があるの?
地積測量図とは、土地の面積や形、お隣との境界線を図面にしたもので、法務局という役所に保管される公的な資料です。図面には、その土地の番号(地番)、お隣の土地との境界線、境界を示す杭の位置、どうやって測ったか、面積の計算方法などが詳しく書かれています。
この図面の一番大切な役割は、土地の売買や土地を分けたり合わせたりするとき、相続や建物を建てるときなど、不動産の手続きで使う証拠書類になることです。また、お隣との境界でもめるのを防いだり、実際の土地の形や大きさを確認するときにも使われます。
ただし注意したいのは、地積測量図の内容や測量の正確さは、いつ作られたかによって違うということです。古いものほど、境界線や面積にズレがあることが多いんです。昭和や平成の初めに作られた図面は、測量の正確さや書かれている内容にバラつきがあり、お隣の人との立ち会い確認もされていないことがほとんどでした。平成17年3月7日以降に作られた地積測量図は、内容も正確さも安定していて、信頼できるとされています。
地積測量図に書かなければいけないこと
地積測量図は「不動産登記規則」という法律で、書くべき内容がきちんと決められています。主な内容は次のとおりです。
1. 土地がある場所と番号
2. 方角(北がどちらかを示す)
3. 縮尺(実際の大きさと図面の大きさの比率)
4. その土地とお隣の土地の番号
5. 測った面積とその計算方法
6. 境界の角から角までの距離
7. 国の座標系の番号や記号
8. 基準点をもとにした境界点の座標(必要な場合)
9. 実際にある境界標(石の杭や金属の標識など)の位置
10. 測量をした年月日
これらに加えて、測量をした人の署名や使った機械の情報なども書くのが一般的です。図面には、土地の形を正確に描いて境界線や長さを示し、表の部分に測量した日や面積、計算方法などを書き込みます。
最近は電子データ(PDFなど)の地積測量図が法務局でやり取りされることも増えていますが、必要な内容がすべて書かれていることが重要です。図面に不備や足りない部分があると、登記を受け付けてもらえずに差し戻されてしまうので、書き漏れや間違いがないよう注意が必要です。
地積測量図の作り方
地積測量図の作成は、経験豊富な土地家屋調査士という専門家が行うのが基本ですが、作業の流れは基本的に次のような順序で進みます。
**1.事前準備と調査**
まず、今の登記の内容や公図、過去に作られた地積測量図があるかどうか、お隣の土地の権利関係などを調べます。古い測量図しかない場合は、今の状況との違いを事前に確認します。
**2.現地での測量作業**
測量器具(トータルステーションやGPS測量機など)を使って、土地の境界点(境界を示す杭)の座標や位置、土地の形、各辺の距離を現地で正確に測ります。このとき多くの場合、お隣の土地の持ち主にも来てもらって境界の確認(立ち会い)を行い、後でトラブルになるのを防ぎます。
**3.図面作成**
現地で測ったデータをもとに、CADなどのソフトを使って地積測量図を作ります。必要な項目がすべて入っているか、形や面積の表示、縮尺、方角、その他の情報が正確に反映されているかを確認します。
**4.登記・提出**
完成した地積測量図を登記申請書に添付して、法務局で土地を分けたり合わせたりする手続きに使います。申請後は登記官による審査があり、質問されたり差し戻されたりすることもありますが、内容が認められれば正式に法務局に保管される地積測量図となります。
なお、昔の図面と今の図面に違いがある場合や、境界でもめる可能性がある場合は、法務局での説明や修正、追加の測量が必要になることもあります。
地積測量図を作るときの注意点とプロに頼むポイント
地積測量図を作るときには、次のようなことに気をつける必要があります。
まず第一に、作る図面の正確さと信頼性が将来のトラブル防止に直結するため、できるだけ経験豊富な土地家屋調査士などの専門家に頼みましょう。特に、お隣の人との立ち会い確認が行われていない昔の図面は、今の実際の測量結果と違うことがあるので、そのまま使わずに必ず現在の状況を反映した最新の測量を行うべきです。
また、法務局の指導や最近の登記実務をよく理解していないと、書くべき項目が足りなかったり手続きに不備があったりして、申請が通らないリスクもあります。
さらに、お手本となる公的な地積測量図のレイアウト(フォーマット)を確認して、図面の枠組みや書き方、配置に沿って作成します。測量した日や署名・押印、正確な縮尺・方角の記載、間違いを直す方法(訂正印・注記など)も登記実務上の重要なポイントです。
加えて、将来自分や他の人が図面を見返したときに、どのような状況で、どんな境界確認が行われたのかがわかるよう、立ち会った人の欄や備考欄もしっかり書いておくことを意識してください。
複雑なケースや図面の修正が必要な場合は、地元の法務局や土地家屋調査士に早めに相談すると手続きがスムーズに進みます。
まとめ
地積測量図は、土地の取引や相続、建築などさまざまな場面で重要な資料となります。作り方や注意点をしっかり押さえて、信頼できる図面を作れば、将来のトラブルを未然に防ぎ、大切な土地の価値を守ることができます。わからないことがあれば、遠慮せずに専門家に相談してみてくださいね。
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