建築図面で階段の書き方をお探しですね。
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建築図面での階段の描き方をわかりやすく解説!
建築図面を描くとき、階段は特に重要なパーツの一つです。階段は単に上下を移動するためだけのものではなく、使いやすさ、安全性、見た目の美しさがすべて関わってくる大切な建築要素なんです。設計者として、階段の各部分の名前や寸法、法律で決められたルールをしっかり理解して、正しく図面に描けることが、快適で安全な建物を作るためには欠かせません。この記事では、建築図面での階段の「描き方」について、基本から実際の設計まで、順を追って分かりやすく説明していきます。
階段の各部分の名前を覚えよう
階段の図面を正確に描くには、まず各部分の名前をきちんと覚えることから始めましょう。打ち合わせで「ササラは200のチャンネルで」なんて言われても、どこの部分のことかわからないと困ってしまいますよね。
階段の主要な部分には以下のようなものがあります:
– **踏板(ふみいた)**:実際に足を乗せる板のこと
– **蹴込み板(けこみいた)**:踏板と踏板の間を埋める縦の板
– **ササラ桁(側桁とも呼ぶ)**:階段の両端で全体を支える骨組み
– **段鼻(だんばな)**:踏板の端っこの部分
– **踏面(ふみづら)**:足を置く部分の奥行き
– **蹴上げ(けあげ)**:一段の高さ
段鼻には滑り止め(ノンスリップ)が付けられることもよくあります。これらの名前を正しく覚えて図面にもちゃんと書き分けることで、設計の意図がきちんと伝わるようになります。
法律で決められた階段の寸法とその書き方
階段の寸法は、見た目や使いやすさだけでなく、法律でもきちんと決められています。特に住宅の場合、建築基準法施行令23条で「蹴上げは230mm以下、踏面は150mm以上」と定められているんです。事務所や学校など、建物の用途によって求められる寸法が違うので注意が必要です。
法律の最低基準をクリアしつつ、実際には「蹴上げ×2+踏面=610~650mm」という目安(これを「階段公式」と呼びます)を使って、利用者にとって上りやすく下りやすい寸法を決めるのが一般的です。
図面には、各段の蹴上げ寸法と踏面寸法を記号や寸法線で書き込み、全体の段数、階の高さ、踊り場の位置も必ず記入します。途中で寸法が変わると危険なので、必ず全段で統一した寸法にして、それを図面にもきちんと反映させることが大切です。
実際の階段図面の描き方とコツ
建築図面で階段を描く場合、平面図、断面図、立面図など、いろいろな角度から表現する必要があります。
**平面図では:**
– 階段を真上から見た形
– 段数と上下方向を示す矢印
– 1段目と最上段の位置
– 踊り場の配置
**断面図や立面図では:**
– 階の高さや蹴上げ、踏面の寸法
– ササラや手すりなどの部材
– 材料や構造の違いも分かるように表現
図面では、ササラ桁や踏板の厚みもしっかり描いて、手すりの取り付け位置や高さ、段鼻の滑り止めの仕様なども補足情報として書き込みます。CADを使う場合は、あらかじめパーツを登録したり、レイヤーを分けたりしておくと、後で修正や追加をするときに楽になります。
こうした表現を丁寧に行うことで、実際に工事をする人たちにも理解してもらいやすくなり、安全対策にもつながります。
安全性とデザインの両立を考えた図面作り
階段の図面では、安全性とデザインの両方を考えることが設計者の大きな課題です。
例えば、手すりの高さは一般的に750mm~850mmが基準ですが、実際には小さな子どもや高齢者のことも考える必要があります。手すりの隙間の寸法や形も「子どもが登って遊べる足がかり」にならないよう細かく図面に描いて、必要に応じて「子ども対策」も考えて反映させます。
一方で、階段は建物の「顔」になることもあります。美しいササラ桁のデザインや、素材感を活かした仕上げなど、見た目にも配慮した設計が求められることも多いです。京都駅ビルのように、階段が空間のシンボルになる場合は、実用性だけでなく、空間全体の調和や視覚的なインパクトも考えなければなりません。
安全性をしっかり確保しながらデザイン性も両立させること、これが階段図面作成の最終的な目標です。
まとめ
このように、階段の建築図面を作るには、部材の名前、法律で決められた寸法、描き方のルール、デザインへの配慮など、いろいろな知識と細かい気配りが必要です。設計の意図をしっかり伝えられる図面を作るために、これらの要素をきちんと押さえて図面作成に取り組んでいきましょう。
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