日影図の書き方をお探しですね。

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建物の影を調べる「日影図」って何?書き方から使い方まで分かりやすく解説

マンションやビルなどの高い建物を建てるとき、その建物が作る影について考えたことはありますか?実は、建物の影が近くの家や土地に長い時間かかってしまうと、「日当たりが悪くなった」「洗濯物が乾かない」といった問題が起こることがあります。

こうしたトラブルを防ぐために、建築基準法では「日影規制」というルールが決められています。そして、この規制をチェックするために使われるのが「日影図」という図面です。今回は、この日影図について、基本的なことから具体的な作り方まで、分かりやすく説明していきます。

日影図って何のために使うの?

日影図は、計画中の建物が一年で最も影が長くなる冬至の日(12月下旬頃)に、周りにどんな影を落とすかを時間ごとに描いた図面です。

朝8時から夕方4時まで(場合によっては朝9時から午後3時まで)の間、30分や1時間ごとに影の形を線で描いていきます。この時間ごとの影の線を「時刻日影線」と呼んでいます。

どんなときに使うの?

– 建物を設計するときに、どのくらいの影ができるかを確認したい
– 近所の人たちに影響がないかをチェックしたい
– 影の計算が正しくできているかを確認したい

ただし、日影規制は「その場所が何時間影になるか」で判断するので、日影図だけでは規制をクリアしているかどうかは完全には分からないんです。

もう一つの図面「等時間日影図」

日影規制をきちんとチェックするためには、「等時間日影図」という別の図面も使います。これは「3時間影になる範囲」「5時間影になる範囲」というように、同じ時間だけ影ができる場所を線でつないで表したものです。

日影図の作り方を覚えよう

日影図を作るときは、次の順番で進めていきます。

1. 測定する場所を決める

まず、影の影響を調べたい場所(隣の土地など)を決めます。

2. 建物の情報を図面に描く

建物の形、高さ、向き、周りの土地との位置関係を正確に図面に描きます。

3. 時間ごとの影を描いていく

冬至の日の太陽の位置を計算して、8時、9時、10時…と順番に影を描いていきます。それぞれの時間の影は、線の種類や色を変えて区別できるようにします。

4. 見やすく仕上げる

どの線がどの時間の影なのかが分かるように、凡例をつけたり色分けしたりします。

昔は手で計算して描いていましたが、今はコンピューターのソフトを使うことが多く、より正確で早く作れるようになりました。

等時間日影図で規制をチェック

「建物の影が5時間以上続けて隣の土地にかからないようにしよう」といった規制があるときは、等時間日影図が必要です。

作り方のポイント

1. 各時間の影の線から、それぞれの場所が何時間影になるかを計算する
2. 同じ時間だけ影になる場所を線でつなぐ(これが等時間線)
3. 「5時間等時間線」が規制の範囲内に収まっているかをチェックする

例えば、敷地から5メートルの場所で5時間の規制があるとき、「5時間等時間線」が5メートルの線より建物側にあれば、規制をクリアしていることになります。

気をつけたいポイント

日影図を作るときに注意したいことがいくつかあります。

正確な情報を使おう

太陽の位置は地域や季節によって違います。必ずその場所と時期に合った正しい数値を使いましょう。

地域のルールを確認しよう

測定のやり方や規制の内容は、市町村によって少しずつ違うことがあります。最新の法律や条例をきちんと調べることが大切です。

コンピューターを活用しよう

手で計算すると間違いやすいので、できるだけCADや専用のソフトを使うのがおすすめです。

近所の人とのコミュニケーションも大切

正確な図面を作るだけでなく、近所の人たちにきちんと説明して理解してもらうことも重要です。

まとめ

日影図は、単に「影の形を描いた図」ではありません。建物を建てるときのルールを守っているかをチェックしたり、近所の人たちへの配慮を目に見える形で表したりする、とても大切な図面なんです。

正しい知識と方法で日影図を作ることで、トラブルのない建物づくりや、みんなが快適に暮らせる街づくりにつながります。建築に関わる人も、そうでない人も、日影図について知っておくと役に立つかもしれませんね。

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