入母屋屋根の立面図を描く方法をお探しですね。

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入母屋屋根の立面図を描こう!基礎から分かりやすく解説

入母屋屋根って聞いたことありますか?日本のお寺や神社、昔ながらの家でよく見かける、ちょっと複雑な形の屋根のことです。最近では和風モダンの住宅でも人気が出ています。でも、この屋根を図面に描くとなると、「どこから手をつけていいか分からない…」という人も多いはず。

この記事では、入母屋屋根の立面図(建物を横から見た図面)の描き方を、建築CADを始めたばかりの人や、建築CAD検定2級を目指している人にも分かりやすく説明していきます。

入母屋屋根ってどんな屋根?

入母屋屋根は、2つの屋根の形が合体したような構造になっています。

– **下の部分**:寄棟屋根(四方向に傾斜する屋根)
– **上の部分**:切妻屋根(三角形の屋根)

この組み合わせで、屋根の上の方に三角形の壁(これを「破風」と呼びます)ができるのが特徴です。横から見ると、下は斜めに広がって、上に三角の部分がちょこんと乗っかっているような形になります。

見た目がとても美しく、雨もうまく流れる優秀な屋根なんです。ただし、図面に描くときは軒先やけらば(妻側の軒)、破風などの細かい部分まで正確に描く必要があります。

立面図って何のために描くの?

立面図は、建物を真横から見たときの姿を描いた図面です。入母屋屋根の場合、平面図や屋根の図面を見ただけでは分からない「実際の見た目」を確認するために欠かせません。

立面図を見れば、こんなことが分かります:
– 屋根と壁のバランスは良いか
– 窓の位置や大きさは適切か
– 軒の出具合はどうか
– 破風の形は美しいか

建築CAD検定では、地盤線、基礎、壁、窓やドア、屋根、デッキ、換気口、バルコニーの手すり、図面のタイトルなど、決められた要素をもれなく描く必要があります。入母屋屋根の場合は特に、高さや位置関係を他の図面と合わせながら、正確に表現することが大切です。

入母屋屋根の立面図を描いてみよう

それでは、実際に入母屋屋根の立面図を描く手順を見ていきましょう。

1. 準備をしよう

まずは図面の設定から始めます。
– 用紙:A3横向き
– 縮尺:1/50
– レイヤ:壁、建具、屋根、仕上げなどに分けておく

2. 基準線を引こう

平面図を参考にして、建物の中心線や壁の位置を示す線を引きます。これがガイドラインになります。

3. 高さを決めよう

断面図を見ながら、次の高さを決めて線を引きます:
– GL(地盤線)
– 基礎の高さ
– 軒の高さ
– 屋根の一番高いところ

ここで寸法を間違えると全体がおかしくなるので、慎重にチェックしましょう。

4. 屋根の形を作ろう

軒の高さから屋根の勾配に合わせて線を引きます。例えば4/10勾配なら、角度を計算して正確に引きましょう。屋根面、軒裏、けらばの出を複線コマンドで作っていきます。

5. 破風を描こう

入母屋屋根の特徴である破風部分を描きます。屋根の上部にある三角の壁の部分です。破風の出は通常30mm程度、妻壁は壁の中心から75mm外側に描きます。

6. 細かい部分を整えよう

屋根の折れ曲がり部分やけらば部分を、コーナーコマンドや伸縮コマンドできれいに整えます。

7. 仕上げをしよう

最後に屋根にハッチング(斜線模様)を入れたり、窓に色を付けたり、寸法や図面タイトルを追加して完成です。

気をつけたいポイント

入母屋屋根は普通の屋根より複雑なので、こんなところに注意しましょう:

**図面の読み間違いに注意**
屋根の高さや破風の位置など、元になる図面の寸法を正しく読み取ることが大切です。「なんとなく」ではなく、きちんと数値を確認しましょう。

**寸法に根拠を持とう**
「破風まで30mm」「壁から75mm」など、なぜその寸法なのか理由を理解して描きましょう。

**計算で確認しよう**
軒の出具合や高さが正しいか、座標や長さを計算して検算してみましょう。

**レイヤをうまく使おう**
屋根、壁、破風などパーツごとにレイヤを分けておくと、後から修正するときに便利です。

まとめ

入母屋屋根の立面図は確かに複雑ですが、手順を覚えて丁寧に作業すれば、誰でもきれいに描けるようになります。建築CAD検定でもよく出題される形なので、基本をしっかり押さえて練習してみてください。

最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れてくると日本建築の美しさを図面で表現できる楽しさを感じられるはずです。頑張って挑戦してみてくださいね!

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