パース図の書き方をお探しですね。
パース図は、イラストやマンガ、建築設計やインテリアデザインで、奥行きや立体感をリアルに表現するのに必要な技法です。でも、「消失点」や「アイレベル」といった専門用語が多くて、最初は難しく感じるかもしれませんね。この記事では、初心者の方にも分かりやすく、パース図の描き方やコツを順番に説明していきます。絵に遠近感と説得力を持たせたい方は、ぜひ基本をマスターしてスキルアップを目指してみてください。
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パース図の基本と「透視図法」って何?
パースは「Perspective」を短くした言葉で、日本語では「遠近法」と呼ばれています。手前にあるものは大きく、奥にあるものは小さく描くことで、平面の紙の上に奥行きを作り出す技法です。パースの中でも特によく使われるのが「透視図法」。これは消失点というポイントを決めて、奥行き方向の線をすべてその消失点に向かって描く方法です。
透視図法には主に3つの種類があります。一点透視図法は消失点が1つで、部屋や廊下、道路などを正面から見る時に使います。二点透視図法は消失点が左右に2つあって、建物の角を斜めから見る時に使われます。三点透視図法はさらに上下方向にも消失点があって、真上や真下から見上げたり見下ろしたりする時に使います。どの方法も「消失点を決めて、そこを基準に線を引く」というのが共通点です。
パース図を描くための大切なポイント ~アイレベルと消失点~
パース図を描く時に重要なのが「アイレベル」と「消失点」です。アイレベルとは「目線の高さ」のことで、絵の中で視線がどこを通っているかを決める大切なラインです。カメラや目の高さと同じで、地平線の高さと一致します。人を真横から見る場合は、その人の目の高さがアイレベルになります。
消失点は、普通はアイレベルの上に置きます。背景を描く時は、まず「アイレベルをどこに設定するか」「消失点をどこに置くか」を最初に決めましょう。アイレベルが高いと見下ろす構図に、低いと見上げる構図になります。また、消失点が画面の中央から離れすぎたり、近すぎると変に見えるので、ちょうどいい位置に置くことが大切です。消失点が複数ある時は、「消失点同士の間を十分に空ける」ことも意識してくださいね。
一点透視図法で室内を描いてみよう
ここでは一番基本的な「一点透視図法」を使って、室内を描く方法を紹介します。まず白い紙に、適当な大きさで床のタイルなどの四角いマス目を描きます。次に、奥行き方向の線が集まる一点(消失点)を、部屋の奥の壁の中央あたりに決めます。そこから床や天井、壁の境目になる各点と消失点を直線で結ぶと、部屋の骨組みとなる線が引けます。
床や天井は、消失点から放射状に広がる線とマス目の線が交わる点を使って、等間隔で奥行きを表現できます。家具やドア、窓などはこれらの線に沿って、まずは箱の形で簡単に描いてみましょう。描き終わったら、いらない線は消して、濃い線で輪郭をなぞります。最後に、影をつけたり、家具やインテリア小物、窓の外の風景やカーテン、照明などを細かく描き込むと、より立体的でプロっぽい仕上がりになります。
慣れないうちは定規を使うのもいいですが、目で測ってフリーハンドで描けるようになると、手描きの温かみやスピード感を活かせます。パースの基本が分かると、建物の外観や人物、もっと複雑なインテリアも描けるようになりますよ。
もっとリアルなパースを描くためのコツと応用
パース図をより説得力のあるものにするには、家具やドアの実際の大きさを知って、それを正しい比率で描くことが大切です。また、部屋の壁や床を等分したい時は、対角線を引いて中心を見つける「分割」のテクニックを使いましょう。例えば1つの面を2等分するには、対角線が交わる点を通る線で分割します。この方法を応用すれば、3等分や細かい等分割もできます。
さらに上級テクニックとして、「空気遠近法」や「色彩遠近法」という手法もあります。空気遠近法は、遠くのものほど色や輪郭を薄く・ぼやかして、青っぽくすることで奥行きを感じさせます。色彩遠近法では赤などの暖かい色を手前に、青などの冷たい色を奥に使うことで、色の効果による遠近感を演出できます。メインとなるものを目立たせたい場合も、色のコントラストを使うと効果的です。
パース図で一番大切なのは「完璧さより”印象”」です。背景や構図に説得力があれば、キャラクターや空間が一気にリアルで魅力的に見えます。難しく感じても、まずは身近な箱や部屋で練習して、少しずつできることを増やしてみてください。パースのスキルはイラストや設計、マンガ制作など、いろいろな空間表現に使える一生役立つ技術になります。
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