パース図について情報をお探しですね。
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パース図って何?建物や部屋を立体的に描く魔法のテクニック
建物や部屋の設計図を見たことはありますか?平面図だけだと、実際にどんな空間になるのか想像するのは難しいですよね。そこで活躍するのが「パース図」です。パース図は、平べったい紙の上に立体的な空間を描く特別な技術で、建築やインテリアデザインの世界では欠かせないツールになっています。
最近では、建物の設計だけでなく、ゲームやアニメの背景、さらには家具の配置を考えるときにも使われています。プロの設計者はもちろん、初めて家を建てる人や部屋の模様替えを考えている人にとっても、とても便利な道具なんです。
パース図の基本を知ろう
パース図の正式名称は「透視図」といいます。「パース」は英語の「perspective(パースペクティブ)」を短くした呼び方で、日本の建築業界でよく使われています。
パース図の一番の特徴は、「遠近法」という技術を使って描かれることです。遠くにあるものは小さく、近くにあるものは大きく描くことで、まるで本当にその場所にいるような立体感を表現できます。この技術には「消失点」という重要なポイントがあり、線がここに向かって集まることで奥行きを作り出します。
パース図には主に3つの種類があります:
– **一点透視**:奥に向かって1つの消失点があるタイプ。部屋の中や廊下を正面から見たような絵に使います
– **二点透視**:左右に2つの消失点があるタイプ。建物の角や街並みを描くときによく使われます
– **三点透視**:上下にも消失点を加えた3つの消失点があるタイプ。高いビルを見上げたり、上から見下ろしたりする迫力のある絵が描けます
パース図の歴史をのぞいてみよう
パース図の技術は、実はとても古い歴史があります。始まりは今から500年以上前のヨーロッパ、ルネサンス時代にさかのぼります。
イタリアの建築家ブルネレスキや、あの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチも、現実の空間を絵に正確に描く方法を研究していました。ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」という有名な絵画にも、パース図の技術が使われているんですよ。
その後、17世紀には教会の天井画や演劇の舞台装置で使われ、19世紀には鉄やガラスを使った新しい建物の設計にも活用されました。20世紀に入ると、手で描くだけでなくコンピューターを使って作るようになり、今ではVR(バーチャルリアリティ)という技術と組み合わせて、まるで本当にその空間の中を歩いているような体験もできるようになりました。
パース図はどうやって作るの?
パース図を作る方法は、大きく分けて2つあります。
手描きパース
鉛筆やペン、色鉛筆、マーカーなどを使って手で描く方法です。作者の個性や温かみが表現でき、設計の初期段階でアイデアをさっと描くときによく使われます。ただし、修正するのが大変で、同じ絵を何枚も作るのは難しいという面もあります。
CGパース
コンピューターの専用ソフトを使って作る方法です。3次元の模型をコンピューター上で作り、まるで写真のようにリアルな質感や光の当たり方まで再現できます。修正も簡単で、いろいろな角度からの絵を手軽に作れるのが大きな魅力です。
また、パース図は描く対象によって2つに分けられます:
– **外観パース**:建物を外側から見た絵
– **内観パース**:部屋の中から見た絵
パース図はこんなふうに役立っている
パース図の一番すごいところは、設計のアイデアを「誰が見ても分かりやすい」形で表現できることです。
例えば、新しい家を建てるとき、平面図だけを見せられても「本当にこの部屋の広さで大丈夫かな?」「リビングから庭がどう見えるんだろう?」と不安になりますよね。でも、パース図があれば、完成した家での生活を具体的にイメージできます。
最近では、パース図をもとにバーチャル空間を作り、VRゴーグルをつけて実際に家の中を歩き回れる体験も増えています。家具の配置を変えたり、壁の色を変えたりして、いろいろなパターンを試すこともできるんです。
また、学校の美術の授業や、将来建築やデザインの仕事を目指す学生さんにとっても、パース図を描くことで空間を理解する力が身につきます。
パース図は単なる「絵」ではありません。みんなが同じイメージを共有し、より良いデザインを生み出すための大切なコミュニケーションツールとして、これからもどんどん進化していくでしょう。
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